[OSGeoJapan-discuss] QGISでのタイル地図利用について

[Minoru Akagi]

メーリングリストの皆様

タイルレイヤプラグインとQgis2threejsという2つのQGISプラグインを開発しております、赤木実と申します。

現在、今週金曜日にリリースされる予定のQGIS
2.8の新機能、マップ回転機能へのタイルレイヤプラグインの対応を検討しておりますが、QGISでのタイル地図利用については最適なアプローチが別にあるのではと思っておりまして、皆様のご意見をお聞かせ頂きたくメーリングリストに投稿させて頂きました。

インターネット上で公開されているタイル地図はGDALのTMSミニドライバやタイルレイヤプラグイン等を利用することでQGISでもマップキャンバスに表示することが可能ですが、レイヤ定義ファイルを作成またはダウンロード等の準備を行う必要があり、利用可能な環境を整えるのに少し手間がかかります。

ところで、もしタイル地図がOGC標準のWMTS
[1]として提供されていればどうでしょうか。QGISはバージョン2.0からWMTSに対応していますので、WMS/WMTSレイヤの追加ダイアログからサービスの名前とURLの設定をするだけでタイルレイヤを利用する準備が整い、タイルレイヤを簡単にマップキャンバスに追加することができます。さらにこの方法の利点としては公開メタデータからレイヤ情報を取得しますので、利用できるレイヤの情報が随時更新されるということがあります。

技術的には地理院タイルのタイル形式はWMTSCapabilities.xmlというメタデータを作成するだけでWMTSとして配信可能です。もし興味がある方はQGISでのテスト用に作成したファイル[2]を公開しておりますのでお試し下さい。

WMTSについては国内では産総研地質調査総合センターの日本シームレス地質図®WMTS配信サービス
[3]、海外ではオーストリアのウィーン市がベースマップ配信 [4]を行っている事例があります。

QGISをより使いやすくするためにタイル地図配信を行っている機関・団体等にWMTS提供の要望を効果的に伝えることができないかと思っております。皆様のご意見をお聞かせ頂ければ幸いです。

[1] http://www.opengeospatial.org/standards/wmts
[2] https://gist.githubusercontent.com/minorua/1f047985f87597030dce/raw/WMTSCapabilities.xml
[3] https://gbank.gsj.jp/seamless/wmts/wmts.html
[4] http://www.basemap.at/

赤木実