[OSGeoJapan-discuss] 兵庫県西宮市に提供されているプラグインのソースコードについて

Naoki Arita tonaokiarita @ gmail.com
2025年 1月 27日 (月) 05:20:57 PST


こんにちは

GPL 本文中だと前文にこのように書かれており、少なくとも「義務として」
ソースコードを開示する必要があるのは、ソフトウェアの受領者になるようです。
> 例えば、本許諾書が適用されるプログラムの複製物を配付する場合、無償・有償に
> 関わらず、あなたは複製物の受領者に、あなたが受け取ったのと同じ自由を承継
> しなければなりません。あなたは、彼らもまた、ソースコードを受領するか後から
> 入手できることを保証しなければなりません。
日本語としてわかりやすいため GPL v3 逐条解説を参照させてもらいますが
GPL v3 では第5パラグラフにあたり、下記資料の p.12 および p.15 になります。
この内容は GPL v2 にも第4パラグラフで同等の記述が行われています。
https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11561275/www.ipa.go.jp/files/000028320.pdf


また、私も改めて理念等のページを軽くですが見なおしてみました。

FSF (The Free Software Foundation) は公開されるソフトウェアは「自由ソフトウェア」として
リリースするべきとし、それを実現するために GNU GPL というライセンスを策定しています。
「自由ソフトウェア」は、利用者が下記の4つの自由を有しているソフトウェアとしています。
0. プログラムを実行する自由
1. プログラムを研究し、必要に応じて改変する自由
2. 改変していないそのままのコピーを再配布する自由
3. 改変した版を他に配布する自由
https://www.gnu.org/licenses/licenses.html
https://www.gnu.org/philosophy/free-sw.html


ただし配布する際には、新たな利用者も同等の自由があるべきとしており、
第1および第3の自由を保障するためにソースコードも開示することが必要としています。
(スクリプト形式ならそれ自身、バイナリ形式なら同梱等の手段により)
また難読化したソースコードは要件を満たしていないとしています。
https://www.gnu.org/philosophy/free-sw.html#make-changes

もちろん配布しない自由もあり、改変したものを自分あるいは自社内でのみ
使用するといったことも可能です。
https://www.gnu.org/licenses/old-licenses/gpl-2.0-faq.html#GPLRequireSourcePostedPublic

また配布の自由には販売の自由も含まれており、このことは開発資金を
得るためにむしろ推奨されています。
https://www.gnu.org/philosophy/selling.html
https://www.gnu.org/licenses/old-licenses/gpl-2.0-faq.html#DoesTheGPLAllowMoney

ですので、ソースコードをオープンにするための規定ではなく、利用者が自由を
享受し、また更に再配布する際にはその受領者にも保証するための規定なんだと
思います。

2025年1月26日(日) 23:06 hrko--- (OSGeoJapan-discuss 経由)
<osgeojapan-discuss @ lists.osgeo.org>:
>
> 皆様
>
> 返信いただき、ありがとうございました。
> hrkoです。
>
> 返信のあった内容を読ませていただいて、モヤモヤしていることがわかってきました。
> ソースコードを「プログラムのユーザ」が入手できるようにする、という点です。
>
> ソースコードを入手できるようにする相手がプログラムのユーザだけなのであれば、
> 商用で提供を受けている西宮市さんのみが入手できていればよい、という解釈となる。
> このことがうまく理解できていませんでしたので、もう一度調べてみたいと思います。
>
> GPLライセンスについて書かれたページを調べて、いろいろ確認してはみたのですが、
> 「ソースコードを開示する義務が発生」「公開しなければならない」と見かけました。
> たとえば、下記のようなページです。
> https://office54.net/iot/app/gpl-oss-license
> https://digi-mado.jp/article/75766/
> https://www.ogis-ri.co.jp/otc/hiroba/technical/oss-license-violations/
> しかし、「プログラムのユーザのみ」の限定を付けた説明は見なかった気がします。
>
> オービタルネットさんが商用で提供している住宅地図検索プラグインがあるのですが、
> ソースコードをネット上で一般に開示していたのを知っていました。
> それもありQGISプラグインのソースコードは一般開示されるべきと思っていました。
> また、その他の会社さんがソースコードを開示していたのでそのように思いました。
>
> 商用で提供している住宅地図検索プラグインの紹介ページ
> https://www.orbitalnet.jp/service/foss4g/
> プラグインのソースコードを開示しているgithubのページ
> https://github.com/Orbitalnet-incs/SearchZmap
>
> 他の会社さんもソースコードを開示していたということもあり、そう思ったようです。
> オープンソースの趣旨もあってそう思い込んでいたのかもしれません。
>
> プログラムの提供を受けている利用できるユーザのみにソースコードを開示すればよい、
> ということなのかをよく考えてみたいです。
>
> 以上です。よろしくお願いいたします。
>
> > ----- Original Message -----
> >
> > From: "Naoki Arita (OSGeoJapan-discuss 経由)" <osgeojapan-discuss @ lists.osgeo.org>
> > To: "osgeojapan-discuss @ lists.osgeo.org" <osgeojapan-discuss @ lists.osgeo.org>
> > Date: 2025/01/25 土 04:48
> > Subject: Re: [OSGeoJapan-discuss]     兵庫県西宮市に提供されているプラグインのソースコードについて
> >
> >
> > すみません、ありたです。
> >
> > 補足というか、訂正です。
> > いろいろ情報を確認しているうちに記憶違いのまま再確認せず記述してしまいました。
> >
> > > また第3条の後半のパラグラフで、バイナリ形式を指定された場所からコピー
> > > (ダウンロード)するアクセス権として提供された場合には同じ場所から
> > > ソースコードにもアクセスできなければならないとあり、やはりあくまで
> > > ソフトウェア本体の所有権に付随したものであると解釈できるかと思います。
> > 上記ですが、同じ場所からソースコードをコピーできるようにしていれば、
> > 実際にユーザがコピーしていなくとも義務は果たしているという趣旨の説明であり、
> > 同じ場所から『アクセスできなければならない』といったものではありませんでした。
> >
> > 2025年1月23日(木) 20:18 Naoki Arita <tonaokiarita @ gmail.com>:
> > >
> > > hrko さん、みなさまこんにちは。ありたです。
> > >
> > >
> > > QGIS は GNU GPL v2 のもと公開されています。
> > > https://github.com/qgis/QGIS/blob/master/COPYING
> > > https://docs.qgis.org/3.40/en/docs/user_manual/appendices/GNU_GPL.html
> > >
> > > GNU GPL v2 参考邦訳
> > > https://licenses.opensource.jp/GPL-2.0/gpl/gpl.ja.html
> > >
> > > 第3条ではバイナリ形式(オブジェクトコードあるいは実行形式)で配布する際の
> > > ソースコード開示の義務について規定していますが、 Python プラグインは
> > > スクリプト形式であるため、そもそもこの条項は適用されませんし、スクリプトのため
> > > 自動的にソースコードの開示が達成されています。
> > >
> > >
> > > 参考としまして、バイナリ形式で配布する場合は「ソースコードの同梱」または
> > > 「請求書面を添付し、請求に応じてソースコード配布」等のいずれかの手段での
> > > ソースコードの開示を要件としていますが、必ずしも不特定多数を対象とした
> > > 公開は必要とされていません。
> > >
> > > ソフトウェアにソースコードを同梱する方法は、当然ながらソフトウェアを
> > > 受け取った人のみがソースコードを入手できます。
> > >
> > > 請求に応じて配布する方法で「非所有者からの請求に応じる義務はあるか」と
> > > いう問題に対して GPL v2 では不明確でしたが、 GPL v3 で「必要はない」と
> > > 明確に記載されました。(下記資料 p.69 参照)
> > > https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11561275/www.ipa.go.jp/files/000028320.pdf
> > > 適用されるライセンスは GPL v2 ではあるので、直接 v3 の文言が適用される
> > > わけではないですが、理念的には、所有者には改変の自由もありそれを
> > > 確保するためソースコードを開示するのであって、そもそも提供を受けていない者
> > > (有償の場合は非購入者)に対してはソースコードの開示の必要性はない。
> > > というのが GNU GPL の思想のようです。
> > >
> > > また第3条の後半のパラグラフで、バイナリ形式を指定された場所からコピー
> > > (ダウンロード)するアクセス権として提供された場合には同じ場所から
> > > ソースコードにもアクセスできなければならないとあり、やはりあくまで
> > > ソフトウェア本体の所有権に付随したものであると解釈できるかと思います。
> > >
> > >
> > > なお繰り返しになりますが、西宮市には再配布する自由はあり、そのルートで
> > > 入手することができれば、正規の入手となります。
> > >
> > >
> > > 各社がプラグインを一般公開するかどうかは、ビジネスモデルによります。
> > > オープンにするものと、限られた顧客のみに提供するものを区別している場合も
> > > ありえますし、オープン版は機能限定版であるケースもありえます。
> > > GEO ソリューションズさんがどのような方針なのかにもよりますので、
> > > やはり直接確認されるのがよろしいかと思います。
> > >
> > > 2025年1月23日(木) 1:22 hrko--- (OSGeoJapan-discuss 経由)
> > > <osgeojapan-discuss @ lists.osgeo.org>:
> > > >
> > > > Naoki Arita様
> > > > 返信いただきありがとうございました。
> > > >
> > > > 下記についてはインターネットで検索してこのような結果を見つけることができませんでした。
> > > > 参照元を教えていただけますと幸いです。
> > > >
> > > > > GNU GPL では、プログラムを配布する場合にソースコードも入手可能な状態にする必要が
> > > > > ありますが、プログラムを入手していない人にはソースコード配布の義務はありません。
> > > > > ただし、入手した人(今回の場合西宮市)が GNU GPL 下のプログラムやソースコードを
> > > > > 一般公開など再配布する自由はあります。
> > > >
> > > > 「プログラムを入手していない人にはソースコード配布の義務はありません。」とありますが、
> > > > 検索して調べてみたのですが、そのような記述を見つけられませんでした。
> > > >
> > > > ChatGPTの回答は誤りもあり得ますので、判断材料にはならないはずと考えています。
> > > >
> > > > OSGeo日本支部を支援する他の会社さんはソースコードを開示しているようでした。
> > > >
> > > > 朝日航洋さん
> > > > https://www.aeroasahi.co.jp/spatialinfo/qgis/plugins.xml
> > > >
> > > > Geoloniaさん
> > > > https://github.com/geolonia
> > > >
> > > > Georepublicさん
> > > > https://github.com/orgs/Georepublic/repositories
> > > >
> > > > MIERUNEさん
> > > > https://github.com/MIERUNE/
> > > >
> > > > オービタルネットさん
> > > > https://github.com/Orbitalnet-incs
> > > >
> > > > 以上です。よろしくお願いいたします。
> > > >
> > > > > ----- Original Message -----
> > > > >
> > > > > From: "Naoki Arita (OSGeoJapan-discuss 経由)" <osgeojapan-discuss @ lists.osgeo.org>
> > > > > To: "osgeojapan-discuss @ lists.osgeo.org" <osgeojapan-discuss @ lists.osgeo.org>
> > > > > Date: 2025/01/22 水 21:47
> > > > > Subject: Re: [OSGeoJapan-discuss]     兵庫県西宮市に提供されているプラグインのソースコードについて
> > > > >
> > > > >
> > > > > こんにちは
> > > > >
> > > > > 以前調べた範囲の知識のみで、専門家に確認したわけではないですが。。。
> > > > > (一応 ChatGPT にも確認したところ、同様の解釈でした)
> > > > >
> > > > >
> > > > > たしかに QGIS は GNU GPL で公開されており、また QGIS のようにプラグインが
> > > > > 本体と一体となって動作する場合には、プラグインも GNU GPL として取り扱う必要があります。
> > > > > (なお、プラグイン中に Python 部分とは別にバイナリ形式のプログラムを同梱し、コマンド実行など
> > > > >  疎結合で呼び出す場合には、その別プログラムは GNU GPL である必要はありません。)
> > > > > https://blog.qgis.org/2016/05/29/licensing-requirements-for-qgis-plugins/
> > > > > https://www.gnu.org/licenses/old-licenses/gpl-2.0-faq.ja.html#GPLAndPlugins
> > > > >
> > > > >
> > > > > GNU GPL では、プログラムを配布する場合にソースコードも入手可能な状態にする必要が
> > > > > ありますが、プログラムを入手していない人にはソースコード配布の義務はありません。
> > > > > ただし、入手した人(今回の場合西宮市)が GNU GPL 下のプログラムやソースコードを
> > > > > 一般公開など再配布する自由はあります。
> > > > > (GNU GPL と矛盾するため、ソフトウェア利用規約で再配布を禁止することはできない)
> > > > > https://www.gnu.org/licenses/old-licenses/gpl-2.0-faq.ja.html#DoesTheGPLRequireAvailabilityToPublic
> > > > >
> > > > > いずれにしても、 GEO ソリューションズさんにご連絡した方が確実ではないでしょうか。
> > > > > もし無償で公開可能であればソースコードをいただけるかと思いますし、そうでないなら
> > > > > 正規に購入することで入手できると思います。
> > > > >
> > > > >
> > > > > 2025年1月21日(火) 22:36 hrko--- (OSGeoJapan-discuss 経由)
> > > > > <osgeojapan-discuss @ lists.osgeo.org>:
> > > > >
> > > > > >
> > > > > > OSGeo日本支部メーリングリスト参加者の皆様
> > > > > >
> > > > > >
> > > > > > はじめまして。hrkoと申します。
> > > > > >
> > > > > > QGISプラグインを作成して公開すること等の活動を行っています。
> > > > > >
> > > > > >
> > > > > > 株式会社GEOソリューションズさんが兵庫県の西宮市さん向けにカスタマイズしたQGISを提供しているのですが、
> > > > > >
> > > > > > カスタマイズプラグインのソースコードがどの場所で開示されているかを教えていただけないでしょうか。
> > > > > >
> > > > > >
> > > > > > 下記URLのPDFでQGIS画面の右側に表示されている以下のプラグインのソースコードを見たいと考えています。
> > > > > >
> > > > > > https://testbed.nict.go.jp/bunkakai/pdf/da-v_tf-03-02.pdf
> > > > > >
> > > > > > ・6ページ目のカスタマイズプラグイン
> > > > > >
> > > > > > ・9ページ目の道路台帳等の専用システムプラグイン
> > > > > >
> > > > > >
> > > > > > プラグインは下記URLにあるQGISをベースとしたパッケージ製品『LAnGIS』と同じものではとも思っています。
> > > > > >
> > > > > > https://geo-sol.co.jp/products
> > > > > >
> > > > > >
> > > > > > QGISプラグインにはGPLライセンスが適用されるので開示されているはずなのですが、見つけきれなかったため。。
> > > > > >
> > > > > >
> > > > > > 以上です。よろしくお願いいたします。
> > > > > >
> > > > > >
> > > > > > _______________________________________________
> > > > > > OSGeoJapan-discuss mailing list
> > > > > > OSGeoJapan-discuss @ lists.osgeo.org
> > > > > > https://lists.osgeo.org/mailman/listinfo/osgeojapan-discuss
> > > > >
> > > > >
> > > > >
> > > > > --
> > > > > 有田 直樹 <ToNaokiArita @ gmail.com>
> > > > > _______________________________________________
> > > > > OSGeoJapan-discuss mailing list
> > > > > OSGeoJapan-discuss @ lists.osgeo.org
> > > > > https://lists.osgeo.org/mailman/listinfo/osgeojapan-discuss
> > > > >
> > > >
> > > > _______________________________________________
> > > > OSGeoJapan-discuss mailing list
> > > > OSGeoJapan-discuss @ lists.osgeo.org
> > > > https://lists.osgeo.org/mailman/listinfo/osgeojapan-discuss
> > >
> > >
> > >
> > > --
> > > 有田 直樹 <ToNaokiArita @ gmail.com>
> >
> >
> >
> > --
> > 有田 直樹 <ToNaokiArita @ gmail.com>
> > _______________________________________________
> > OSGeoJapan-discuss mailing list
> > OSGeoJapan-discuss @ lists.osgeo.org
> > https://lists.osgeo.org/mailman/listinfo/osgeojapan-discuss
> >
>
> _______________________________________________
> OSGeoJapan-discuss mailing list
> OSGeoJapan-discuss @ lists.osgeo.org
> https://lists.osgeo.org/mailman/listinfo/osgeojapan-discuss



-- 
有田 直樹 <ToNaokiArita @ gmail.com>


OSGeoJapan-discuss メーリングリストの案内